| 代表的な塗装の種類 |
| まず始めに |
代表的な塗装の種類としては、
- ソリッド
- パール (もしくはマイカ)
- メタリック
があります。
もちろん、この他にも色々な手法がありますが、メーカーの大量生産ラインに乗って市販されている塗装はこの3種類といっていいでしょう。
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| ソリッド |
ソリッドとは、発色剤以外の混ぜ物が入っていない塗料の色のことです。
上にクリア層をのせない色だけの塗装が「ソリッドカラー」と言われることもあるようですが、
クリアを吹いたものもソリッドと表現されることもあり、
ユーザ的には「メタリックやパールなどのように『つぶつぶ感』のある混ぜ物が入っていない塗装」が一番しっくりくる定義です。
ロードスターで言うなら、クラシックレッド、ネオグリーン、ブリリアントブラック、クリスタルホワイトなどですね。
こう見返してみると、初期のロードスターは殆どがソリッドでした。
やはり消費者の流行に非常に強く影響される部分ですから、当時はソリッドが「スポーツライクなカワイイ車」に最適な色だったのでしょうね。
一般的な車の消費傾向から行くと、ソリッドも赤・青・黄の3色も不人気なのですが、スポーツカーでは断然人気が高いです。
ただ最近では、ファッショナブルな感じを醸し出すためにクリア塗料に色を薄くつけるという手法も多用されているようです。
この手法をキャンディカラーとのたまうこともあるようですが、これはあくまでカラークリアであって
キャンディカラーではありません。
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| パール(マイカ) |
パール(もしくはマイカ)は、さまざまな色に光を反射する粒状の顔料である「パール顔料」を、
着色塗料の中に混ぜ込んだものです。
主に雲母(マイカ(mica))を二酸化チタンでコーティングして作られるため、この顔料は「マイカ」と言われることもあります。
反射する色、光を透過する度合いなどは、このコーティングとブレンドする各メーカーの腕とセンスの見せ所でしょう。
後述のメタリック塗装よりもムラが出にくく、光の反射具合による微妙な色表現が美しいためか、
最近では車の色名を見てみるとメタリックよりも数多く採用されているように思います。
といっても、メタリック顔料(アルミ粉末)の金属的なきらめきは表現できないらしく、メタリック顔料とパール顔料を混ぜることもあるそうです。
白の場合、高級感が出るためパールを混ぜた白色の人気が高まる傾向にあります。
なんと軽自動車にまで「なんとかホワイトマイカ」なんて色が採用されたり。
その傾向に対し、更に差別化するためか、2000年発売のクラウンなどでは雲母を使わないマイカ顔料を開発しています。
何やら、平らな方向に人工的に結晶させた鉱物系のものを使っているそうで、白い反射が強いらしいです。
さまざまに微妙な色合いに光るのがパールあるいはマイカの特性だと信じていたのですが、「白」という需要からするとこんなやり方もあるのですね。
そういえば世の中には「スノーホワイトパールマイカ」なる命名をされた色もありますが、
メーカーさんは「パール」と「マイカ」を特性によって使い分けているのでしょうか?
某RZのカタログに載っているかな?
その辺は私も不勉強で知りません、ごめんなさい。
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| メタリック |
メタリックは、細かいアルミフレーク(アルミ粉末)の顔料で表現します。
パール(マイカ)よりも光の反射が強く、金属調の単色に反射します。
シルバー系の車には必ず使われています。
粒子の大きなアルミフレークを使えばギラギラ光ってスポーティな感じになり、
粒子の形状が滑らかで大きさも細かく揃っていれば上品で中庸な感じになります。
また当然ながら、アルミフレークの向きが揃っていればいるほど艶やかな鏡面効果が得られます。
スプレーガンを使って塗装する場合は、吹きつけ時に粒子がタレたり、乾く前に粒子がタレたり、仕上げのクリア塗装で粒子がタレたり.... と、
向きを揃えるのが難しいそうです。
まだ量産車には使われていませんが、塗膜にメタリック粒子が規則正しく並んで鏡面に近い反射を得る技術も開発されて、
コンセプトカーでは採用例がある!という噂もどこかで読んだことがあるのですが、
肝心のニュースソースとそのコンセプトカーが何だったかということを忘れてしまいました。
おばか (x_x;
ロードスターのシルバーストーンメタリックなどは割と粒子が大きいですね。
でもクリスタルブルーメタリックは、シルバーストーンメタリックよりも更に粒子が大きいような感じも少しします。
着色層の明度とクリアの質が向上しているからでしょうか?
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| キャンディカラーの誤解 |
| 私のロードスター |
私のロードスターは、キャンディカラーで全塗装されています。
…と言われても、何色か判らないでしょう?
実は、キャンディカラーは色相とは関係ない用語なんです。
具体的に言いますと。
- ベース車としてブリリアントブラックの V-special を1台用意する。
- 下地として、メタリックの入った青紫の塗料をスプレーガンで 1度吹き。
- 赤みがかったオレンジ系の顔料と、クリア(無色の塗料)+硬化剤(塗料の硬度を上げます)と、
これらを1:1の割合で混ぜて透明感のある塗料を作る。
- その塗料をひたすら重ね塗り!
スプレーガンで吹いては乾かし、吹いては乾かして重ねていきます。
- 5回ほど重ね塗りすると、透明感のある赤茶色のロードスターのできあがり!
- まだまだ忘れちゃいけません、クリアを吹いて、仕上げましょう。
こんな感じに作られているんですね。
普通の車の塗装とは何が違うかというと、重ね塗りの工程です。
通常よりも色の薄い塗料を、色が出てくるまで重ね塗りするのです。
べっこう飴を思い出してください。
材質に透明感がありますよね?
薄く作れば色も薄いですが、厚みを出せばだすほど色は深くなって、金褐色のいわゆる「あめ色」になります。
キャンディカラーとは、正にこうやって深みを出した色のことを指します。
つまりキャンディカラーとは、色相を表すものでもなく、塗料を指すものでもなく、
クリアに色を薄くつけた塗料と重ね塗りの技法によって醸し出される『色』のことなのです。
これで判りましたか?
くろさきに「何色ですか」訊いたとき、「キャンディカラーです」と答えが返ってきたら、
「何色のキャンディカラーですか」と、更につっこみ入れてやってください。
正しくは「Z2カラーのキャンディカラーです」と答えなければならないところなのですから(笑)
Z2カラーって何?って疑問については、また今度。
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| グラデーションの謎 |
私の車を見せて「キャンディカラーなんです」と言ったとき、
- 「ふーんなるほどー」と受け流される
- (キャンディカラーって何?)という顔をされる
- これがキャンディカラーか!さすがに見事! と大感激される
- 「マジョーラみたいにグラデーションしてないんですね」と言われる
だいたいこの4パターンの反応が返ってきます。
1〜3 は、キャンディカラーの何たるかを知っている人、知らない人、知っていても興味がない人、
さまざまな想いが込められてこのような反応になるのだと思いますが…
4 の方、多分、キャンディカラーを誤解しておられます!
マジョーラのように
グラデーションのついた塗装を想像される方もおられるようですが、あれは「五層構造の超偏平特殊顔料」のブレンドで色相変化を出す、
いわば塗料によるグラデーションです。
そして(株)日本ペイントの商品です。
しかも塗料は12種類(だったっけかな?)しかないのです。
ところがキャンディカラーとは、上述の通りクリアに色を薄くつけた塗料と重ね塗りの技法ですので、
根本的にものが違います。
確かにキャンディカラーは重ね塗りの回数によって色味を出すので、
塗りの回数や塗料に入れる発色剤の色相を変えてグラデーションを表現することも可能です。
しかもそのバリエーションは、発色剤のブレンド次第、重ねる回数次第で無限です。
また、通常のカスタムペイントではスプレーガンによる吹きつけ作業となりますので、
職人さんの腕前如何では同じ色を表現することができず、やむなくムラやグラデーションができてしまう!
なんてこともあり得ます。
かく言う私の初代Z2ロードスター(今は2代目Z2号)も、お世話になっているショップの社長が趣味で塗ったボディだったので、
リアフェンダーには下地の青みが強く出ていたり、ドアの色が違ったり… という微妙な色変化が楽しめるボディ(笑)でした。
今の2代目Z2号は、顧客からの依頼という形で入魂の塗装をしてくださったため、
ムラも色違いもない素晴らしいできになっています!
何しろ、ボディパーツごとに取り外してマスキングして重ね塗り→乾燥の工程を繰返すにも関わらず、
各パーツの色が見事に調和しているんです!!
お金を貰うプロなら当然と思うでしょ?
私もこのショップと知り合う前はそう思っていました。
でもね、コストパフォーマンスの定石から外れないメーカーラインとは違うクオリティがあるんです。
微妙に異なるコンディションでの塗装を繰り返しているにも関わらず、ボディ全体で流れるように調和した色の渋さ、
周囲の明るさによって車全体の色相が変わって見える微妙な塗装、
重厚なクリア層に太陽光が反射して車体の上に陽炎が踊っているように見える塗料の厚み…
fantastic? amazing? majestic? marvelous?
語彙が貧しくて口惜しいです。
Grand Canion of Yellow Stone を訪ねたとき、上記のような形容詞を私が列挙したら、
ホストマザーが「marvelousが一番ぴったりだわね」と言いました。
私には、それらのニュアンスの違いは判りませんでした。
nice, fine, beautifule, great, それらとの違いは歴然としているのに。
違いはあります! ただ、私には表現しきれないほどの不思議な違いなのです。
光と重ね塗りの層が織りなす不思議な色変化、それがキャンディカラーの色変化なのです。
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| キャンディカラーの色々 |
「キャンディカラー=グラデーション」の他にも、「キャンディカラー=メタリック」といった誤解もあります。
あるいは、「キャンディカラー≠ソリッド」など。
でももうお判りの通り、重ねる塗料次第でソリッドもメタリックもパールもキャンディカラーになるのです。
私はHouse Of Kolorの色見本を見て色を相談しました。、
縦軸に基調色と重ねる色、横軸のカラム数を重ねる回数として、実際の塗料を塗ったサンプルがファイルされている色見本があるのです。
そのサンプルの中には、2〜3mm程の巨大なアルミフレーク入りの塗料を使ったキャンディカラーもありました。
通常のメタリック塗装で使われるアルミフレークは、2/1000mm程の極小アルミ粉末なのです。
あたかも日本酒に入っている金箔のようなアルミフレークを入れたキャンディカラー。
はっきり言ってハデです。
逆に、メタリックやパールの粉末を混ぜていない発色剤だけの塗料を使えば、ソリッドカラーのキャンディカラーのできあがり。
ソリッドなキャンディカラーって、すごく贅沢なんですよ!
どんな種類のソリッドがあるのかな?と、順を追ってみてみましょう。
- クリアを吹いていない単色だけのソリッドカラー。これはマットな感じ。
- 最近はクリアをかけて艶を出すことも多くなりました。
- 更に艶やかな発色を求めて、クリアに薄く色をつけて作ったカラークリアをソリッドカラーの上に使うこともあります。
例えばスカイラインGT-Rのベイサイドブルー。
- キャンディカラー! もはやカスタムでしか見かけません。
カラークリアそのものでさえ、とても手間とコストのかかる特別仕様の塗装とされているんですよ。
ソリッドなキャンディカラーなんて余裕でその遥か上を行っちゃうのは想像に難くないでしょう。
光の反射具合の妙から、パールやメタリックを入れて使われることが多いキャンディカラーですが、
デザインとイマジネーション次第で色々なキャンディカラーが実現できる筈なのです。
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| Z2カラーとは |
| しろやぎさんのお手紙 |
ここでは私の車の色のモデルとなった Kawasaki 900/750 RSシリーズについてお話します。
車や塗装のお話をするだけでもおこがましいというのに、全然知らないバイク(しかも往年の名車!)を取り上げてしまって、
お気を悪くされた方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
内容などにご指摘・ご指導がありましたら、くろさきまでご一報お願い致します。
キャンディカラーの誤解を公開した後、とある方からこんなお手紙をいただきました(一部抜粋)。
> Z2、正式名"Kawasaki 750RS"
> 既にご存知かもしれませんが、実はこの"RS"ってロードスター
> (Road Star)の略だったりします。
> たぶん、くろさきさん(と社長さん)の言うZ2色って1975年の
> RS最終型の玉虫カラーのことですよね。
>
> 実はこの色のRSを我が家で所有していたことがありました。
> 黒と金のストライプが入っていなかったためか、いままで
> Z2色と言われても???と言う感じだったんです。
> それが、なぜか今日突然「そうそうあの色あの色」という
> 感じでRSとZ2号のイメージが重なりました。
>
> #ああ、青春だなぁ。^^;
お返事しそびれてすみませんでした!
決して読まずに食べた訳ではなく、くろさきさんたら読んで保存したけどその時はちょっと時間がなかったのです
(x_x)
しろやぎさんのお手紙にある通り、Z2 とは "Kawasaki 750RS" の Z2 なのですが、残念ながら玉虫カラーではありません。
玉虫カラーの色にも近いのですが、これはむしろ VR-Limited のアールヴァンレッドのような青みのあるワインレッドですね。
私の Z2カラーは、バイク乗りなら必ず聞いたことがあると言われる火の玉カラーをイメージして作られております。
1973年の初代Z2、初期型です。
今まで以上に「???」が増えてしまいましたか?(笑)
でも、綺麗に発色している写真集などを見ると、なるほど納得!
火の玉タンクのベースカラーに使われている茶色、あそこなんです。
私の車を塗装してくださった「テクニカルボディ品川」の社長さん曰く、
本来はこの茶色の上にソリッドのオレンジ色でキャンディカラー塗装したセンターストライプが入る予定だったそうです。
オレンジが大きく入ると「そうそうこの色この色」になるのではないでしょうか?
オレンジが入っていない私の車は、本当は、Z2カラーもどきだったのでした(自爆)
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| 由来 |
Z2 という言葉はバイク乗りではない私も聞いたことがありましたが。
Z2 というからには、実は Z1 もいるんです。
900cc の RSシリーズを Z1、750cc の RSシリーズを Z2 と言うそうです。
1972年に輸出メインのハイパワー車として発売された Kawasaki RS900 Z1 は、
900cc・最高速度 200km/h以上・ゼロヨン12秒台マークという 70年代初期のバケモノマシンでした。
Z1 / Z2シリーズのムック本にすらオーバークオリティとまで書かれてしまう名車・Z1を、
国内販売用にスケールダウンしたのが Z2シリーズです。
単なるボアダウンではなく、日本国内販売メインという目的に添った特性を盛り込んで 750ccに再設計、
Z1に負けないクオリティを実現し、1973年に国内リリースされました。
そして美しいカラーリングは「火の玉カラー」「火の玉タンク」と呼ばれて親しまれ、
Z1・Z2シリーズの他色「タイガーカラー」や「玉虫カラー」と共に、性能と機能美とを称えられて今日に至る訳です。
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Kawasaki 900RS Z1B 最終型(1974〜75年)タイガーカラー |
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Kawasaki 750RS Z2 初期型(1973年)火の玉カラー |
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Kawasaki 750RS Z2 最終型(1975年)玉虫カラー |
私がお世話になっているショップ、「テクニカルボディ品川」の社長が二輪免許を取得したのが 1974年。
Z1発売からすでに 2年経過しており、900RS は手の届かない輸出車として名声を博していたそうです。
一方の 750RS は 1年前に国内向けとして発売され、「手の届く憧れ」としてのステータスをものしていましたが、
この年は初期型を新車で入手できる最後の年となりました。
その時に買ったバイクが残念ながら壊れて手放したときに、火の玉タンクを取り外して保管しておいたそうです。
そのタンクをサンプルとして、1999年にユーノスロードスターのペイントを始めたとのことでした。
ベースカラーの塗装が終わり、オレンジのセンターストライプを待つばかりになった 2000年、
私とこのロードスターは出会うことになりました。
本当はショップのデモカーにする筈… だったのに、私がそれをかっさらってしまった訳です。
私自身もこの色はとてもとても気に入っていますが、それ以上に、社長の青春の思い出がつまった色として、
大切にしていきたいと思っています。
因みに社長は
「くろさきに火の玉カラー取られちゃったからなぁ、俺のはタイガーカラーで塗ろうかなぁ」
と、私の車を見るたびに仰っておられます(笑)
2台の Z2号を並べられたら素敵ですね!
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